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TOP > スタッフの部屋 > 山下 章のFFX-2 アルティマニア 制作日記 第2回 アルティマニアの制作作業

山下 章のFFX-2 アルティマニア 制作日記

 

第1回 2003.04.18
発売日決定?

第2回 2003.04.25
アルティマニアの制作作業

第3回 2003.05.02
開発スタッフインタビュー

第4回 2003.05.09
掲載内容の一部+表紙を紹介

第5回 2003.05.23
アルティマニア初の限定盤発売&
ドレスコンテスト開催のお知らせ

最終回 2003.05.30
最後にお届けするスクープ情報は……

第2回 アルティマニアの制作作業

 週刊誌の場合は1週間単位、月刊誌の場合は1ヵ月単位で、ひとつの仕事が終わり、すぐにつぎの仕事がはじまります。ところが、攻略本の場合は、そうした決まったサイクルというのが存在しません。
 攻略本には、大きく分けて、同発攻略本(ソフトと同時に発売される本)、中期型攻略本(とりあえずエンディング近くまで行けるように手ほどきする本)、後期型攻略本(こまかいデータや隠し情報が網羅された本。アルティマニアはこれにあたります)という3タイプがあります。そのどれを作るかによって、スケジュールは大きく変わることになり、年末や年度末などのソフトのラッシュ時期には、複数の本の仕事が入り乱れて、大変な状況を迎えることも珍しくありません。

 ベントスタッフが作る本は、アルティマニアや解体真書に代表されるように、そのほとんどが後期型攻略本です。これは、せっかく作るなら、とことんまでそのゲームについて掘り下げたい、という僕やスタッフの考えによるところが大きかったりします。
 後期型攻略本ならば、制作期間が長いからラクなのでは?と思うかたもいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな誤解だと言っておきましょう。近年のRPGはどれもすさまじいボリュームとなっており、何から何まで掲載しようとすると、ソフトが手元に届いてから2ヵ月ちょっとという制作期間では、足りないと思うことはあっても十分と感じることはありません。とくに500~600ページの厚さを宿命づけられているアルティマニアでは、その作業の過酷さは想像を絶するほどです。

 アルティマニアの制作作業は、マラソンのようなものだ、と僕は考えます。スタートしたとき、ゴールはかなり先にあるのでゆっくり走りたくなってしまうけれど、そこでラクをしたツケは、かならずあとにまわってくる。また、途中で立ち止まったり、必要以上に水を飲みすぎると、時間内の完走が困難になってくる。アルティマニアは42.195kmを脇目も振らずに全力で駆け抜けて、あとから「あそこで本気を出しておけば」と後悔しない本にしたい――そうした思いが、つねに僕のなかにはあります。実際には、どのアルティマニアにも何らかの反省点はあるものの、それを次回への課題として、少しずつシリーズをステップアップさせてきたつもりです。

 今回の「FFX-2 アルティマニア」は、過去のシリーズで最厚だった「FFX アルティマニアオメガ」の640ページを大きく上まわる736ページに決定。それを通常の制作期間で満足のいく形に仕上げるのは、ある意味、世界最高記録の走りに挑戦するようなものですが、スタッフ一同、まさしく日々の生活を捧げて制作に没頭しています。どうぞみなさん、ご期待ください。